泣きながら自分を見る関平を見て…、趙雲の胸が痛んだ。
「関平…もう、いいのですよ。関平はきちんと努力をしています。三者面談の事は心配しないでいいのですよ」
趙雲が関平の頭をそっと撫でた。
「…趙将軍は……誰かとあんな事をしてきたのでござるか……」
関平は目の前にある趙雲の胸に縋った。昨日から、ずっと不安に思って来た事を、関平は抑えきれずに趙雲に尋ねた。もしも、趙雲が昨夜は誰かの所に行っていたと聞いたら、…怖くて仕方が無かったが、関平は尋ねずにいられなかった。
「誰か…誰か他の……」
情けなかった。あんな恥ずかしい事を望んでいると言う事も、趙雲が自分には興味を持っていないと思う事も、……関平は自分自身が情けなくて仕方無かったが、留まることは出来なかった。今も、趙雲の胸に縋り、趙雲の匂いを鼻先に感じて、…関平は背が震え出しそうなあの感覚に襲われた。
趙雲と自分を隔てる布さえもどかしいほど、趙雲の手を求めている自分が恥ずかしくて仕方無い。
「拙者はおかしくなってしまったのでござる……趙将軍に…恥ずかしい事をされたいのでござる……」
泣きながら縋る関平の肩を、趙雲が抱きしめた。
「……関平…」
「拙者…義父上にも殿にも…向ける顔がござらん……」
趙雲の手が優しくあやすように関平の背を撫でた。その趙雲の手が優しければ優しいほど、関平は自分が淫らがましく浅ましい者に思えてくる。
「…趙将軍は……殿の為に拙者に…拙者に良くしてくれるのに……拙者は、もう殿に合わせる顔が無いのでござる」
「…関平……」
趙雲のシャツを通して、関平の涙が温かく濡らした。
「…関平は、悪い子ですね……私にあんな事をされたいのですか…?」
「…して欲しいのでござる……」
趙雲を見上げた関平の頬が、真っ赤になっていた。…それでも、関平は趙雲をまっすぐに見ていた。
「そんな悪い子には…やはり、罰が必要ですね…」
……恥知らずと思いながら…、関平は小さく身震いした。
「…拙者…悪い子でござる……」
罰でも良かった。趙雲が、また自分に触れてくれるならば……。
「関平、パジャマを脱いでベッドに座りなさい…」
少し掠れて、喉に絡んだような声で趙雲に言われると…、関平はその言葉に従って、パジャマも下着も脱ぐとベッドの上に正座した。
趙雲は、そんな関平を見ながら紙袋の中からカチューシャを取り出した。それは、秋田犬のようなぴんと立った三角の耳がついていた。
「…可愛いですね…」
関平の頭に白い耳をつけ、趙雲の手が関平の顎を撫でた。くすぐったいような趙雲の指先に、関平はまた涙が零れた。
……こんな事をされて…拙者…嬉しいのでござる………。本当の犬なら良かったと関平は思う。犬ならば、大好きな人に撫でられて、精一杯振る尻尾がある。関平は顎を離れる趙雲の手を取ると、そっとその指先に口づけた。
「…関平…」
言葉にして伝えるのは、関平には難しい事だった。自分がどれほど趙雲に憧れているのか…、どれほど趙雲を好きなのか……、そして、恥ずかしくて、恥ずかしくて仕方がないのに、嬉しくて仕方のない事も……。関平は言葉にする事が出来なかった。
「今日の首輪は、少しきついですよ」
関平の手を離させた趙雲が取り出したのは、首輪と言うよりハーネスだった。
黒い革のハーネスの首輪の部分を留め、首輪から下がっている台形の革の部分を関平の胸に回した。背中にあるベルトできつく絞り上げると…、革に入った三角形の切れ込みから関平の胸が僅かに盛り上がった。
「小さいおっぱいですね……」
少し鬱血して赤くなった乳輪の周りを撫でられて、関平の背が震えた。
「関平、膝立ちになってください」
「…はい…、趙将軍…」
趙雲の言葉通りに動く事が嬉しかった。もう僅かに勃ちあがりかけたものが恥ずかしかったが…、趙雲の手がそっと先端を摘まむと小さく息が漏れてしまった。
「いやらしい子ですね…関平は。首輪がそんなに嬉しいのですか」
「嬉しいでござる……拙者、いやらしい子でござる…」
胸を締め付ける部分から繋がっている革のベルト…、その先端の細長い袋状の物を見て、関平の喉が鳴った。
「そうですよ、関平が思っている通りの事をするのですよ」
側に寄せられた趙雲の顔に、清々しいような微笑が浮かぶと、関平はそれだけで痛いほど勃ち上がってしまった。